「いつものカリカリは見向きもしないのに、チュールなら目の色を変えて飛んでくる…」
愛猫のこんな行動、ただのワガママなのか、それとも病気のサインなのか迷っていませんか?
実は私も数年前、愛猫が突然ご飯を食べなくなり、夜も眠れないほど悩んだ経験があります。
「どうして食べてくれないの?」という不安と焦り、今でも鮮明に覚えています。だからこそ、今あなたが抱えているその気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、焦らないでください。実はその「食べ方」ひとつで、緊急度がまったく変わってくるんです。
まずは、愛猫の状態が「様子を見ていいレベル」なのか「すぐに病院へ行くべきレベル」なのか、30秒でチェックしてみましょう。
30秒でわかる!愛猫の緊急度チェック診断
いくつかの質問に「はい」「いいえ」で答えるだけで、今すぐ取るべき行動が分かります。
※この診断は簡易的なものであり、獣医師の診断に代わるものではありません。
この記事では、私が多くの飼い主さんにアドバイスしてきた経験をもとに、今すぐあなたが取るべき行動を分かりやすく解説します!
猫がご飯を食べないのにチュールは食べる原因は?食べ方で病気を見分ける

「チュールは食べるから元気なんじゃない?」と思いたい気持ち、すごく分かります。でも、ちょっと待ってください。
実は、猫がご飯を食べない理由にはいくつかのパターンがあり、それを「ちゅ〜るへの反応」で見極めることができるんです。
見極め:匂いを嗅いでプイッとするなら「吐き気・内臓不全」
ご飯皿に駆け寄ってくるのに、匂いをクンクンと嗅いだ瞬間にプイッと顔を背けることはありませんか?
これは「好き嫌い」ではなく、実は「気持ち悪い」というSOSである可能性が非常に高いです。
この行動が見られるとき、猫の体ではこんなことが起きているかもしれません。
- お腹は空いているから、ご飯の場所に近づく
- でも、食べ物の匂いを嗅ぐと強烈な吐き気がこみ上げる
- 結果、食べられずに立ち去る
私の経験上、これは腎不全や膵炎などの内臓疾患でよく見られるサインです。人間で言うと、二日酔いの時に焼肉の匂いを嗅いで「ウッ」となる感覚に近いですね。
香りが強く嗜好性の高いちゅ〜るなら、吐き気を我慢してでも舐めとることができる場合があるため、注意が必要です。
「食べているから大丈夫」と思わず、このサインが出たらすぐに病院を検討してください。
では、もし口には入れるけれど、うまく食べられない場合はどうでしょうか?次は口の中のトラブルについて解説します。
見極め:口からこぼす・変な噛み方は「歯周病・口内炎」
もし愛猫がご飯を食べようとして、ポロポロとこぼしたり、「ギャッ」と悲鳴を上げて食べるのをやめたりしていませんか?
それはご飯が嫌いなわけではなく、物理的に「痛い」から食べられないだけの可能性大です。
猫の口内トラブルは、私たちが想像する以上に激痛を伴います。
- 口内炎・歯周病: 歯茎や喉の奥が赤く腫れ上がっている
- 歯の吸収病巣: 歯が溶けて神経に触れている
硬いドライフードが患部に当たると激痛が走りますが、液体のちゅ〜るなら噛まずに飲み込めるため、痛みを感じずに完食できるんです。
「お腹はペコペコなのに、痛くて食べられない」なんて、想像するだけで辛いですよね。
「でも、うちの子は痛がっている様子もないし、すごく元気におねだりしてくる」という場合はどうでしょう?それはもしかすると、猫の賢さによるものかもしれません。
ただのワガママ?元気があり「もっとよこせ」と鳴く場合

ちゅ〜るを完食した直後に、「もっと出せ!」と言わんばかりに元気よく鳴いて催促してくるなら、それは「選り好み(ワガママ)」の可能性が高いです!
これを見極めるポイントは、猫の「全身の元気さ」にあります。
以下のリストにすべて当てはまるなら、病気ではなく「学習」による行動かもしれません。
- 毛並みが良く、目力がある
- トイレ(排泄)の状態がいつも通り正常
- おもちゃで遊ぶと激しく反応する
- 「美味しいおやつが出るまでご飯を我慢すればいい」と学習している
正直に告白しますと、私もかつて「これはワガママだ!」と決めつけて、猫と根比べ(我慢大会)をしてしまったことがあります。
でも後になって、実は軽い胃腸炎で気持ち悪かったのだと分かり、心から後悔しました…。
だからこそあなたには、元気に見えても「もしかしたら体調が悪いのかも?」と疑う視点を、最後の最後まで捨てないでほしいのです。猫は痛みを隠す天才ですから。
もし病気の可能性が低く、本当にワガママで「ウェットフード(ちゅ〜る)しか食べない」と確信できた場合は、しつけや食事の切り替えが必要です。以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
【原因別】猫がウェットフードしか食べない!わがまま?病気?対策を解説
しかし、これが「高齢猫」となると話は別です。次はシニア猫特有の事情について見ていきましょう。
高齢猫に多い嗅覚の衰えと「液体なら飲み込める」事情
12歳を超えるシニア猫ちゃんの場合、ワガママや病気とは別に「老化現象」が原因でご飯を食べなくなることがあります。
人間もお年寄りになると食が細くなるように、猫も体の機能が変化していくんです。
なぜシニア猫はカリカリを食べず、ちゅ〜るを好むのでしょうか?
- 嗅覚の低下: 匂いで食べ物を判断するため、香りの弱いドライフードを認識できない
- 飲み込む力の低下: パサパサした粒は飲み込みにくく、不快感がある
- ちゅ〜るの強み: 香りが強烈で、かつ喉越しの良い液体だから楽に摂取できる
「もう年だから仕方ない」と諦める必要はありませんが、フードの形状を変えてあげる優しさが必要な時期かもしれませんね。
ただ、ここで一つ怖い落とし穴があります。「ちゅ〜るだけでも食べていれば安心」と思っていませんか?実はそれが一番危険な誤解なんです。
「食べているから安心」は誤解!見逃してはいけない腎臓病
「ご飯は食べないけど、ちゅ〜るは4本食べたから今日はいいか」。
正直に言います。この考え方は、病気の発見を遅らせる一番の原因になります。
特に怖いのが、猫の宿命とも言える「腎臓病」の隠れサインを見逃してしまうことです。
| ちゅ〜るの特性 | 隠れてしまう病気のサイン |
|---|---|
| 約90%が水分である | 多飲(水をガブガブ飲む)という腎臓病の初期症状に気づきにくくなる |
| 嗜好性が強すぎる | 本当は食欲が落ちているのに、無理して食べていることに気づけない |
ちゅ〜るはあくまで「おやつ」または「栄養補助」です。
主食を食べない状態が3日以上続き、ちゅ〜るだけで命をつないでいる状態は、栄養失調に向かっているのと同じです。
「食べているから大丈夫」ではなく、「これしか食べられないのは異常」と捉えてください。
では、具体的に「どのタイミング」で病院に駆け込むべきなのでしょうか?
病院に行く判断基準:24時間の絶食や嘔吐があるなら即受診
様子を見ていいのか、すぐに病院へ行くべきか。迷ったら「24時間」を基準にしてください。
以下の症状がある場合は、迷わず受診することをおすすめします。
- 完全な絶食: 成猫で24時間、子猫なら12時間以上、水も食べ物も一切口にしない
- 危険な嘔吐: 白い泡や黄色い液体(胆汁)、透明な水を吐いている
- 重度の脱水: 首の後ろの皮を摘んで持ち上げても、すぐに戻らない
特に「水も飲まない」場合は緊急事態です。夜間救急も視野に入れて動いてくださいね。
ここまでで原因の切り分けはできましたか?
次は、「病気かもしれないけど、今はとにかく何か食べてほしい!」という時のための、具体的なサバイバル術をご紹介します。
チュールは食べる猫がご飯を食べない時の対策!総合栄養食と食欲増進テク

猫がご飯を食べないと、飼い主さんまで胃が痛くなってきますよね。
ここでは、無理やり食べさせるのではなく、猫が「これなら食べたい!」と思えるような工夫と、栄養を確保するための具体的なテクニックを伝授します。
まずは「総合栄養食ちゅ〜る」へ切り替えて栄養と水分を確保
もし今、普通のちゅ〜る(おやつ用)を与えているなら、今すぐ「総合栄養食」と書かれたちゅ〜るに切り替えてください。
これこそが、食欲不振の猫を救う最初の一手です。
なぜなら、普通のちゅ〜ると総合栄養食では、中身の役割が全く違うからです。
- おやつ用: 人間で言う「スナック菓子」。カロリーはあるが、ビタミンやミネラルが不足。
- 総合栄養食: 人間で言う「完全栄養食」。これだけで生きていけるバランスで作られている。
パッケージの裏面を必ず確認してください。「総合栄養食」タイプなら、極端な話、これだけを食べていれば栄養失調にはなりません。
さらに、脱水を防ぐために、ちゅ〜る1本につき小さじ1杯程度のぬるま湯を混ぜてあげるのが私の裏技です!
「でも、ずっとちゅ〜るばかりだとお財布が…」という方も安心してください。いつものカリカリを「ちゅ〜る化」する方法があります。
いつものカリカリを「ちゅ〜る化」するブレンダー活用術
「あのカリカリを食べてくれさえすれば…」そう思うなら、カリカリをちゅ〜るの食感に近づけてしまえばいいのです。
ブレンダーやミルサーを使えば、自宅で簡単に流動食が作れますよ。
具体的な手順は以下の通りです。
- いつものドライフードをミルサーに入れ、完全な粉末状にする
- 粉末に少しずつぬるま湯を加え、ペースト状になるまで練る
- 仕上げに、猫が好きな「本物のちゅ〜る」を1〜2割混ぜて匂い付けする
ポイントは「本物のちゅ〜る」をトッピングすること。これで警戒心が解け、ペロリと食べてくれる子が本当に多いんです。
手間はかかりますが、栄養バランスも崩れない最強の方法ですよ。
この「ドライフードをふやかす・加工する」テクニックについては、さらに詳しい方法や注意点を以下の記事でまとめています。老猫ケアにも役立つので、ぜひ一度目を通しておいてください。
猫のドライフードをふやかす決定版!食べない悩みから老猫ケアまで
そしてもう一つ、猫の食欲スイッチを入れるために絶対に外せない「温度」の話をしましょう。
食欲スイッチは「38度」!ぬるま湯で香りを立たせる裏技

猫がご飯を「美味しそう!」と判断する基準、実は味ではなく「匂い」と「温度」が9割を占めていることをご存知ですか?
冷えたウェットフードや香りの飛んだドライフードでは、食欲のない猫の鼻を刺激できません。
目指すべき温度はズバリ「38度」。これは、猫が野生時代に捕食していた獲物(小動物)の体温です。
- やり方: フードを湯煎するか、少量のお湯を混ぜて人肌程度に温める
- 効果: 温めることで匂いの分子が揮発し、強烈に猫の食欲中枢を刺激する
- 注意点: 電子レンジは熱ムラができやすく、口の中を火傷するリスクがあるため避けるのが無難
ほんの少し温めるだけで、驚くほど食いつきが変わることがあります。「冷たいまま出していた」という方は、ぜひ今夜から試してみてください。
正しい温め方や、食いつきを良くする保存方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
食いつきが変わる!猫ウェットフードの冷蔵庫保存と温め方のコツ
最後に、焦るあまりやってしまいがちな「危険な行動」についてお話しします。これだけは絶対に避けてください。
絶食は絶対NG!肝リピドーシス(脂肪肝)のリスクを回避
「お腹が空けば食べるだろう」とおやつを一切抜き、根比べをするしつけ…。
健康な猫なら良いかもしれませんが、食欲不振の猫、特にぽっちゃり体型の猫には命取りになりかねません。
なぜなら、猫は絶食状態が続くと「肝リピドーシス(脂肪肝)」という恐ろしい病気を発症しやすいからです。
- 丸2日以上食べないと、体内の脂肪が急激に肝臓に集まる
- 肝臓が機能不全を起こし、黄疸が出て、最悪の場合は死に至る
- 「食べない」ことが原因で、さらに重篤な「新しい病気」を作ってしまう
このリスクについては、海外の獣医療情報を提供するVeterinary Care at Your Fingertipsでも警鐘が鳴らされており、「猫が3日以上食事を摂らない状態は、肝リピドーシスを発症するリスクが非常に高まる」と明確に記載されています。
これは決して脅しではありません。私の友人の猫は、たった3日の絶食でこの病気になり、獣医さんに「あと半日遅かったら手遅れだった」と言われました。
あの時の友人の涙と、ぐったりした猫ちゃんの姿を見て、私は確信しました。
「今は食べてくれるものなら何でもいいからあげてください」
まずはちゅ〜るでも何でも食べて、肝臓を動かし、体力を維持することが最優先。しつけや栄養バランスを整えるのは、猫ちゃんが元気になってからで十分間に合います。
愛猫がご飯を食べてくれるあの安心感を、一日も早く取り戻せるよう、まずは「総合栄養食ちゅ〜る」や「温め」から始めてみませんか?
猫がご飯食べない…チュールは食べる時の危険な病気サインと対策 総括
- ご飯は拒否するがチュールは食べる場合、単なるワガママだけでなく「吐き気」や「口内炎」などの病気が隠れている可能性がある
- 「匂いを嗅いでプイッとする(吐き気)」「口からこぼす(口内痛)」など、食べ方のリアクションで原因を見極めることが重要
- 高齢猫の場合は嗅覚や嚥下機能の低下が原因のことも多く、香りの強い液状フードへの切り替えが有効である
- 「食べているから大丈夫」と放置すると、脱水や腎臓病の悪化を見逃すリスクがあるため、24時間の絶食や嘔吐があれば即受診すべき
- 食欲不振時の対策として、「総合栄養食ちゅ〜る」への切り替えや、ドライフードを粉末にしてペースト状にする方法が推奨される
- 猫の食欲スイッチを入れるには、フードを獲物の体温に近い「38度」に温めて香りを立たせることが効果的である
- 食欲不振の猫(特に肥満気味の猫)に対する絶食を用いたしつけは、「肝リピドーシス(脂肪肝)」を引き起こし命に関わるため絶対NG


